カテゴリ:表を以て裏を知る( 45 )

舌が軟らかく自由に動かせないのが痿である。

筋脈失養のせいである。

病が永く舌が白くて痿するのは、気血共虚である。

新病で舌が乾紅で痿するのは熱灼により陰が傷れたのである。

久病で舌絳で痿するのは、すでに陰が虧けているのである。
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by dentouijutu | 2015-06-03 10:13 | 表を以て裏を知る

舌頭が顫動(せんどう)して止まらないのが戦である。
戦舌は大抵は虚または肝風(疾病過程中に現れる動揺、眩暈、抽ちく等の症状の総称で、外感風邪と区別するため肝風内動等ともいうが前述した内風と同意義である。肝は血や筋を主り、目に竅を開くのでこれらの症状は肝に属すとされる。虚実の別があり虚を虚風内動、実を熱生風動または熱極生風等という。)のいずれかで見られる。
虚によるものはぴくぴくと虫のように微動し、肝風によるものはぱたぱたと翼のように煽動する。
舌色が紅くて戦動し言葉が出しにくいのは、心脾の虚或いは発汗過多による亡陰で、舌が外に出て戦動するのは、よくアルコール中毒患者に見られる。
舌色が淡紅で戦動するのは血虧による肝風内動で、色が紫紅で戦動するのは、肝の熱毒が盛んなもので動風である。
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by dentouijutu | 2015-03-22 09:58 | 表を以て裏を知る

よく舌頭が硬くこわばり、言語がつかえてはっきりしないのが見られるが、外感病、雑病いずれでもこういう舌象を生じる。

外感病に属するものでは、大抵熱が心包に入り(心包とは心の外膜で、経脈と連絡し気血の通り路でもある。外邪が心を襲うとまず心包が影響を受けるが、心包も心と同じく中枢神経活動と関係をもつとされ、急性伝染病等で高熱を発し、神昏譫語(しんこんせんご)する状態を熱心包に入るという。)神明を擾乱(じょうらん)し、神志は混迷して舌の調節がきかず、敏活さを失ったものか、或いは高熱により津が傷み、燥火が熾盛(しせい)で舌の筋脈が失養し、そのため硬く柔和さを失ったものかである。
この二種の舌色はいずれも深紅である。

雑病に属すものは、殆んどは内風(風病は大きく二つに分けられる。一つは六淫の邪の風邪を病因として起こるもので、他の外邪と結合して発病しやすい。例えば風寒(傷寒)、風湿(リウマチ)、風熱(温病・暑病)等である。もう一つは風の病症をもった疾患を意味し、眩暈(めまい)、震顫(ふるえ・痙攣)、麻木(知覚マヒ・しびれ)等の内風或いは風気内動といわれる中枢神経系の症状を現すものである。肝風、中風、破傷風等。)によるもので、普通は半身不随、口眼か斜(顔面神経麻痺)等の証状と同時に現れ、時には突然昏倒したあとに現れる。
またまだ昏倒しない前に見られることもあるが、中風(卒中ともいい、急激な風証の意味である。古典では類中風と真中風に分け、類中風を軽いものから順に中絡(絡に中る)、中経(経に中る)、中腑(腑に中る)、中臓(臓に中る)と分け、真中風は初期に発熱悪寒を伴うものとしたが、いずれも脳血管障害である。)の予兆であることが多い。
さらに痰が舌絡を阻み、舌が厚くて硬くなるものでは、必ず灰濁の苔を兼ねている。
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by dentouijutu | 2015-03-12 10:50 | 表を以て裏を知る

舌頭が柔軟なのは、正常な状態であり無病である。
すべて患者の舌体が柔らかく、敏活で紅く、光沢があるものは胃気があり、病があっても比較的軽く、例え病がひどくてもまだ危険ではない。


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by dentouijutu | 2015-03-12 10:43 | 表を以て裏を知る

舌態の診法では、軟・硬・戦・痿(い)・歪(わい)・舒(じょ)・縮・吐弄(とろう)等の八種に分けられる。

次項で説明する。
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by dentouijutu | 2015-03-04 10:30 | 表を以て裏を知る

舌が薄くやせているのがへつである。

舌がやせて薄く、嫩または淡紅か嫩紅ならば心脾両虚で気血の不足である。

もしへつで紅絳色なら、陰虚熱盛で津液が大傷したもので病状は危重である。

ややへつで津がないものまたはへつで色が晦暗、或いは紅く乾いたへつで言語不能を伴うものは、いずれも予後不良である。
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by dentouijutu | 2015-01-21 07:22 | 表を以て裏を知る

舌が胖大で腫れているのを脹という。
舌が腫脹しているのは、病が多くは血分にあり、また痰飲か湿熱の内蘊(ないうん~内にたくわえる)によるものである。

赤色でひどく腫大しているのは、心脾二経に熱があり、

舌が赤く腫満し、呼吸の妨げになるのは、血絡の熱が盛んなので、血気の壅帯(ようたい~つまりとどこおる)による。

また薬毒にあたり舌が腫れ青紫色で黒ずんでいることもある。

舌色が紫暗で腫れているのは、酒毒の上壅(じょうよう)か心火上炎である。

個人的見解としては、腫れている舌には二種の病理が考えられる。

腫れているのは何かが余分にあるからで、腫れて舌の回りに歯形がついているのは水の停滞で、気虚または陽虚があり、水をさばくだけの気が不足しているために余分な水が停滞する。

腫れて赤く歯形がついていないのは、どこかに熱が停滞していて、その熱による膨脹である。


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by dentouijutu | 2015-01-14 07:57 | 表を以て裏を知る

舌上には軟刺があり、古人はこれを肺気が命門の真火
(命門とは生命の門の意味で、右腎を指すといわれるが、また両腎或いは両腎の間(腎間の動気)ともいわれる。
命門の真火とは腎陽のことで、命門中に宿るとされ、腎臓の生理機能の動力でまた熱生産の源である。
腎陰と共に、人体各部の組織器官に関与し、生殖、成長などを主る。)
を混えて生じたものと考えたが、正常な状態である(軟刺がなく、或いはあってもごく微かなものは、正気がすでに虚している)。

芒刺が高く起っているなら、これは熱邪内結の現象で、熱邪が重くなればなる程芒刺もますます大きく、且つ多くなる。

芒刺の生じる部位を手掛かりにして、五臓中どの一臓に特に熱があるかを見分けることができる。

例えば舌尖の芒刺は心熱とし舌中の芒刺は脾胃の有熱とする。

芒刺はまた舌苔・舌質と合わせて見るのがよい。
もし芒刺があって黒苔を兼ねているなら、熱邪は老黄苔を兼ねるものよりいっそうひどい。

またもし芒刺と共に舌質が絳色であれぼ、邪熱が熾盛で陰分がすでに侵されている。

舌に裂紋があるのは熱が盛んであるか、または血虚して陰が足りないのかで、
舌が絳で光燥かつ裂紋が現れているのは陰液がひどく傷んでいるのである。

舌質の色が淡く、軟らかで裂紋があるのは、大抵虚証か或いは腎陰の不足
(腎陰は真陰、腎水、真水などともいわれ、腎陽と相対するものである。
腎の包含するいっさいの陰液(腎精を含む)を指し、腎の機能活動の物質的基礎をなす。
腎陰が不足すると腎陽の亢奮が生じ相火妄動、虚火上炎といった現象が起こる。)
である。
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by dentouijutu | 2015-01-04 08:54 | 表を以て裏を知る

“老"とは舌質が堅斂蒼老(しまってやわらかみの少ないもの)なもので、舌苔の白黄灰黒にかかわらず、その病はみな実である。

“嫩"とは舌質が浮胖嬌嫩(はれぼったくやわらかいもの)なもので、時に舌尖から舌辺にかけて歯形が見られ、苔色は何色であろうとも、その病はみな虚に属する。
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by dentouijutu | 2015-01-01 07:48 | 表を以て裏を知る

舌形では舌の老嫩・芒刺裂紋・脹・へつを観察するのがよい。
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by dentouijutu | 2014-12-28 20:46 | 表を以て裏を知る

生活も心も豊かな鍼灸師を目指して。

by 臨床ファンタジスタ