カテゴリ:小児はり( 10 )

小児の消化器症状

患者、小学2年生の男児。

お腹が痛く、便も出にくいという。

母親が言うには食欲もいつもよりない。

舌を診ると、中ほどやや下右側の苔が剥離している。

舌質は暗紅舌。

何か我慢しているか、怒りを抑えているのだろう。

肝鬱気滞がある。

気が停滞すると最初は冷えるがやがて火化する。

火化した肝気は上に昇る場合もあるし、横にいく場合もある。

上に行けば肝火上炎。

横に行けば肝気横逆。

この場合は同じ中焦にある脾胃に横逆したために、腹痛と便秘と食欲不振が起こっている。

証は、経絡治療では脾虚肝実。

中医学では肝鬱気滞瘀血からの肝気横逆、肝脾不和。

舌中から右側の剥離は左から来た肝気横逆によって右の脾胃がやられている舌象である。

鍼は、陰陵泉で脾胃を動かして腸を潤し、臨泣で瘀血処理と清肝胆。

経過はいい。
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by dentouijutu | 2014-04-03 20:40 | 小児はり

足の痛み

ちびマサが左足が痛いから鍼してと言ってきた。

聞くと学校で高い所からとんだ際にじゃりを踏んで痛めたらしい。

調べると足関節を背屈すると、踵と下腿の全面から足首の真ん中に痛みが走るとのこと。

左右の踵を比べると痛めている側は熱を持っている。

舌診すると、紅舌で舌辺と舌尖の赤みが強い。

脈診は、浮いて堅く強い脈を打っている。

腹診は、艶はあるが、下腹から鼠径部にやや虚の所見。

肝虚証で治療。

左太衝と右商陽に補法の鍼をして、左仙腸関節に打鍼をして骨盤を治す。

左足の熱がスーっとひいたので治療終了。

明日には良くなっているだろう。

子供たちや家族の治療をする機会はよくあるが、鍼灸師に成ってよかったなと思える瞬間である。

自分の周りの大切な人たちを治療出来る喜びがこの仕事にはある。

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by dentouijutu | 2014-03-04 01:26 | 小児はり

発達障害児の治療。

発達障害児の治療。

大脳の未発達か肉づきの未発達かである。

前者は先天的な腎精不足で髄海を養えていない。

後者は先天的な脾気の不足で消化吸収作用が弱く肌肉を養えていない。

両者であれば脾腎の虚ということになる。

どちらであっても相生的にあるいは相剋的に心神に影響がおよぶから、精神が動揺する。

これは心と胆が子午陰陽でつながっているからで、胆(きも)がすわらないから多動になる、落ち着きがない、注意が散漫となり、五感を主る心の働きも落ちて痛み等の感覚に鈍感になる。

治療をする上で大事なことは脾と腎等器質的な問題、機能的な問題は鍼でどうにでもなる。

これに加えて母親の我が子を信じる信頼する気持ちが絶対に必要である。

ついつい他の子と比べてしまうが、これをなるべく止めさせる。

我が子と他の子を比べるんじゃなくて、我が子の半年前と今を比べてくださいと言うようにしている。

必ず何らかの成長があるはずだ。

人より遅くても成長しているのだからそれを止めるようなことを母親がしてはいけない。

子どもは敏感である。

母親の不安をすぐに感じとる。

それを勇気づけるのも治療家の仕事である。
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by dentouijutu | 2013-10-13 01:18 | 小児はり

小児の発熱

患者 生後2カ月の男児。

主訴、発熱。

現病歴、朝から身体が熱く、いつになくぐずるので母親が検温すると37.5分あり、病院へいったが特に処置の必要はなく、熱が高くなるようなら検査しましょうということで帰ってきたが、母親が心配になり、治療を引き受ける。

その他、お乳は飲むし、便も出ているとのこと。また普段から、よく吐乳するということである。

母親いわく、手足は冷たいのに頭だけ熱いとのこと。実際に触ってみると、確かにそうである。

顔面の気色を診る限り、生気はあり、逆証ではなさそうである。

病因・病理、ここでは割愛するが、その他の問診、体表観察より、逆気の極みと診立てた。

治療、滋陰降火の穴性を持つ左の復溜に鍉鍼で5秒程補法。吐乳をよくするということからと更に逆気を治めるために右の足三里に同じく鍉鍼で数秒も経たないくらいの補法。ステンレス鍼1番で左右の手に水かきの鍼を施し、一通り基本的な小児はりを行って治療は終了。

効果判定、頭の熱がひく。手足がやや温まる。顔色がよくなる。

最後に、熱がまた高くなったり、続くようであれば、脳炎や髄膜炎が怖いので、しかるべき医療機関に行くように指示をして様子をみることにした。

経過、翌日、無事平熱に解熱したとのことである。
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by dentouijutu | 2013-08-18 14:55 | 小児はり

外耳炎

最近、小児の外耳炎を何例か診たが、

肺虚が立つことが多い。

表の病ということか?

夏場はプール実習があるから外耳炎になりやすい。

薬だけよりも絶対に鍼灸を併用した方が治りが早い。
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by dentouijutu | 2013-07-07 11:05 | 小児はり

乗り物酔いの治療

週末、息子の拳法の合宿に同伴。

帰りの道中、車に酔う。

休憩所で車を停め、手足を切経。

左の内関に反応あり。

早速、携帯していた艾で無熱灸(近日公開)を3壮施す。

右の地機にも2壮行う。

直後、軽快に走り回る。

バス遠足や家族で遠出をする度に訪れる乗り物よいの不安解消に、是非小児はりを。
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by dentouijutu | 2013-06-23 19:52 | 小児はり

小児の診方

鍼灸重宝記に、

小児三歳より内は、虎口三関の紋理を見て、病をしるべし。

とあり、私の臨床でもこれを追試している。

初診時や救急の時、予後を診るのに重宝している。

風関に紋理があれば病浅く治し易し。

気関に紋理があれば病重しとす。

命関にあれば病すでに深く治しがたし。

これに従い、もちろんその他、多面的観察も加味して、インフォームドコンセントしている。
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by dentouijutu | 2013-05-11 20:37 | 小児はり

小児の鼻血

男児。

左鼻孔からの出血。

色、鮮血。

お風呂上りや身体が温まるとよく出る。

中々寝ない。

診断。

陽明気分証。

春の陽気、温まると出るということから血熱による鼻血である。

左から出るということで、陽気過多であるが陰陽応象大論より、左は陽で気が昇るということから順証で治しやすい。

古の治療原則により、病急なれば標を治せに従い、止血を先とする。

鼻は肺の外候である、中を陽明経が通る。

気分の熱が血脈に影響して、血流が加速し、血管を突き破った血熱証であるから、陽明経から熱を抜くべく、左商陽から刺絡。

指からの血が止まるとともに、鼻血も止まる。

脉を診ると、全体に数で強い。腎が虚して、足陽明経に堅く突き上げる脉を打っている。

陰谷を鍉鍼で軽く補い、足陽明経の実所見をざん鍼ですい撫でする。

直後やわらかく落ち着いた脉になるので治療を終える。
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by dentouijutu | 2013-03-24 20:57 | 小児はり

小児の腎虚の舌

6歳男児

身体がしんどい。

妙に怖がる。

舌診。

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舌根部の右側の苔が剥離している。

これは相当ひどい腎虚を意味する。

これが恐怖の原因である。

そして舌尖部の赤みが強い。

腎陰虚熱が心に波及している。

不安でいろいろなことを考えているのだろう。

腎の精と心の神が元神の腑である脳を養っている。

腎を補って、適宜小児はりを施す。
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by dentouijutu | 2013-03-20 22:57 | 小児はり

【患者】 男子、中学1年生。
【主訴】 原因不明の腹痛。
【現病歴】 2年前より、朝登校前になると、必ず、腹痛が起こる。医療機関を多数受診するも、症状改善せず。
【望診】 肝体質。
【舌診】 痰紅舌やや厚白苔で乾燥し、舌辺無苔(肝胆の熱)、舌中が剥げている(中焦がやられている)。
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【聞診】 少しあどけない。
【問診】 過敏性大腸症候群も併発していたため、ここ2年間は下痢・軟便(薬で改善)。最近は便秘傾向。イライラしやすい。
【切経】 背部は右膈兪~肝兪までが張っている。
【腹診】 くすぐったがりで一貫堂でいう解毒体質。腹筋が張っている。臍の左側を中心に痛いらしく、押さえていくと左鼠径部に圧痛著明。奇経腹診では陽維脈が出ている。
【脈診】 沈・堅・緊・濇(渋)で5~6拍に1回止まる。
【証】 脾虚肝実証
【経過】 4~5回目の治療より、症状が和らいできた。痛くない日もある。現在継続治療中。
【考察】 肝気の鬱滞が同じ中焦の脾胃に影響していると思われる。
肝鬱の原因が判れば話は早いのだが、これは本人が気づいていない場合がある。
気づいていても教えてくれない場合がある。
しかし体は教えてくれている。
伝統医術の叡智と、己の直感を信じて、目の前の患者を治すだけである。
この子は必ず治る。
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by dentouijutu | 2012-07-25 02:02 | 小児はり

生活も心も豊かな鍼灸師を目指して。

by 臨床ファンタジスタ