2017年 08月 26日
むくみの治療
【現病歴】昨夜から足がむくんで動作の度に痛みを伴う。
【腹診】脾心虚、肝腎実、肺平。
【脉状診】浮・数・平。
【比較脉診】脾心虚、肝腎実、肺平。
【証決定】脾虚証。
【適応側】病症に偏りなく、女性なので右。
【本治法】右水泉を補い→右陰陵泉を補い→右曲沢を補い→左水泉を補う。
【補助療法】宮脇奇経治療、左照海ー右列缺と右申脈ー左後谿に金銀粒を貼付してその上から知熱灸で主穴3壮従穴2壮。
【標治法】腎兪と膀胱兪に知熱灸3壮ずつ。
最後に両水泉に銀粒貼付。
【経過】腫れがひいて痛みがマシになる。
浮腫みは、浮腫と水腫に大別できます。
浮腫は圧痕が残り、脾や腎の変動です。
水腫は圧痕が余り残らず、肝の変動です。
また、脾と腎の弁別は心臓から来るものは脾が主体になり、腎臓から来るものは腎が主体になります。
脾の浮腫みは、四肢を司ることから手足が浮腫みます。
腎の浮腫みは、全身性に浮腫みます。
蛋白がおりていれば先ず腎で間違いないでしょう。
基礎知識は、聖典〈霊枢・五癃津液別論篇〉を参照してください。
「黄帝問于岐伯曰、水穀入于口、輸于腸胃、其液別為五。天寒衣薄、則為溺与気。天熱衣厚、則為汗。悲哀気并、則為泣。中熱胃緩、則為唾。邪気内逆、則気為之閉塞而不行、不行則為水脹。余知其然也、不知其何由生、願聞其道。
岐伯曰、水穀皆入于口、其味有五、各注其海、津液各走其道。故三焦出気、以温肌肉、充皮膚、為其津。其流而不行者、為液。天暑衣厚則腠理開、故汗出、寒留于分肉之間、聚沫則為痛。天寒則腠理閉、気湿不行、水下留于膀胱、則為溺与気。五蔵六府、心為之主、耳為之聴、目為之候、肺為之相、肝為之将、脾為之衛、腎為之主外。故五蔵六府之津液、尽上滲于目、心悲気并則心系急、心系急則肺挙、肺挙則液上溢。夫心系与肺不能常挙、乍上乍下、故欬而泣出矣、中熱則胃中消穀、消穀則虫上下作。腸胃充郭、故胃緩。胃緩則気逆、故唾出。五穀之津液和合而為膏者、内滲入于骨空、補益脳髄而下流于陰股。陰陽不和、則使液溢而下流于陰、髄液皆減而下。下過度則虚、虚故腰背痛而脛痠。陰陽気道不通、四海閉塞、三焦不写、津液不化、水穀并于腸胃之中、別于廻腸、留于下焦、不得滲膀胱、則下焦脹、水溢則為水脹。此津液五別之逆順也。」〈霊枢・五癃津液別論篇〉
by dentouijutu
| 2017-08-26 19:59
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