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ワンポイント東洋医学

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【その1】
天はすべてのものを覆い(肺)、地はすべてのものを載せる(脾)。
天地は万物の上下である。
左(肝)右(肺)は陰陽の道路である。
陰陽は水(クールダウン・腎)火(ヒートアップ・心)の働きである。

金(収斂・秋)木(発生・春)は生成の終始である。
※( )内は中野の勝手な持論です。

【その2】
「六気」
厥陰は風、風を吹かせ動揺する。
少陰は熱、熱気を帯びる。
太陰は湿、湿気を与え雨を降らす。
少陽は火、熱いこと火のごとし。
陽明は燥、乾燥しひえびえする。
太陽は寒、寒さはなはだし。

【その3】
「五運」
木は生、発生させる。もぐりこんでいるものをとびださせる。
火は長、成長させる。どんどん伸ばす。
土は化、化成させる。成熟させて変化させる。
金は収、収斂させる。ちぢこまらせる。
水は蔵、閉蔵させる。外をとじてもぐりこませる。


【その4】
天の陰陽の気の作用は、陽気が万物を生じさせ、陰気が万物を長じる。
地の陰陽の気の作用は、陽気が万物を外に発生させ、陰気が万物を内に収蔵させる。


【その5】
陽である天には三陰三陽の陰陽があり、陰である地には木・火の陽と土・金・水の陰がある。

【その6】
天の六気の少陰と少陽は、五行では火に属す。
少陰は君火、少陽は相火である。
君火は照明。
相火は温熱。

鍼灸臨床では、意識障害は君火を「灯し」、陽気不足は相火を「点す」。

【その7】
天の六気は6年で一周し、地の五運は5年で一周する。

天の六気の循環の6年と、地の五運の循環の5年とで組み合わせると、30年、すなわち720気でひとくぎりがつき、60年、すなわち1440気で完全に一巡する。
この気とは、1年360日を、
「立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒」
の、おのおの15日ずつの24にわけたものであり、つまり、1年は二十四気からなる。

【その8】
「五運六気の運行規則というすぐれた学術を尊重して用いる者はますます栄え、これをないがしろにして見むきもしないやからは、滅亡のみちをたどる。また、この学術の本道を進まずに勝手な憶測をたくましくし、でたらめな術を弄するものどもは、必ずや天の罰をこうむる~」(『素問』天元紀大論篇第六十六)

【その9】
甲(きのえ・陽木)と己(つちのと・陰土)の年は、土運が地を統べる。
乙(きのと・陰木)と庚(かのえ・陽金)の年は、金運が地を統べる。
丙(ひのえ・陽火)と辛(かのと・陰金)の年は、水運が地を統べる。
丁(ひのと・陰火)と壬(みずのえ・陽水)の年は、木運が地を統べる。

戊(つちのえ・陽土)の癸(みずのと・陰水)の年は、火運が地を統べる。

【その10】
子(陽木・胆)と午(陰君火・心)の年は、少陰が天を司る。
丑(陰木・肝)と羊(陽君火・小腸)の年は、太陰が天を司る。
寅(陰金・肺)と申(陽水・膀胱)の年は、少陽が天を司る。
卯(陽金・大腸)と酉(陰水・腎)の年は、陽明が天を司る。

辰(陽土・胃)と戌(陰相火・心包)の年は、太陽が天を司る。
巳(陰土・脾)と亥(陽相火・三焦)の年は、厥陰が天を司る。

少陰に始まり厥陰に終わる。


【その11】
厥陰を標とし、風気を本とする。
少陰を標とし、熱気を本とする。
太陰を標とし、湿気を本とする。
少陽を標とし、相火を本とする。

陽明を標とし、燥気を本とする。
太陽を標とし、寒気を本とする。

本とはそのものの本来の性質であり、標とは仮の表現である。
これら三陰三陽の風・熱・湿・火・燥・寒を六元とする。


【その12】

歳運の木・火・土・金・水がその年の運を統べ、甲(きのえ)乙(きのと)丙(ひのえ)丁(ひのと)戊(つちのえ)己(つちのと)庚(かのえ)辛(かのと)壬(みずのえ)癸(みずのと)の十干の順序で巡る。

天地は万物の上下、左右は陰陽の道路。
上下とは、その年の司天の気を上とし、在泉の気を下とする。

天の六気は、厥陰・少陰・太陰・少陽・陽明・太陽の順に巡る。

厥陰が司天であれば、少陽が在泉。
少陰司天、陽明在泉。
太陰司天、太陽在泉。
少陽司天、厥陰在泉。
陽明司天、少陰在泉。
太陽司天、太陰在泉。

司天の気は、一年の前半分の天気を司り、在泉の気は一年の後半分を司る。

左右とは、左間の気・右間の気とする。

司天の気が厥陰であれば、左間の気は少陰、右間の気は大腸。
少陰司天、太陰左間、厥陰右間。
太陰司天、少陽左間、少陰右間。
少陽司天、陽明左間、太陰右間。
陽明司天、太陽左間、少陽右間。
太陽司天、厥陰左間、陽明右間。

左右は、司天の南から在泉の北を向いて決まる。
これが上。

次に下。
厥陰司天の年は、少陽在泉で、在泉の左間は陽明、右間は太陰。
少陰司天、陽明在泉、太陽左間、少陽右間。
太陰司天、太陽在泉、厥陰左間、陽明右間。
少陽司天、厥陰在泉、少陰左間、太陽右間。
陽明司天、少陰在泉、太陰左間、厥陰右間。
太陽司天、太陰在泉、少陽左間、少陰右間。

左右は、在泉の北から司天の南を向いて決まる。
左間の気は、この次にくる気であり、右間の気はもうすぎ去った気である。

このようにして、司天の気と在泉の気が歳運と影響しあって万物に変化を与える。





by dentouijutu | 2017-01-09 12:20 | 鍼灸師・鍼灸学生のためのお部屋

生活も心も豊かな鍼灸師を目指して。

by 臨床ファンタジスタ