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登校前にお腹が痛くなる男子生徒の治療。

【患者】 男子、中学1年生。
【主訴】 原因不明の腹痛。
【現病歴】 2年前より、朝登校前になると、必ず、腹痛が起こる。医療機関を多数受診するも、症状改善せず。
【望診】 肝体質。
【舌診】 痰紅舌やや厚白苔で乾燥し、舌辺無苔(肝胆の熱)、舌中が剥げている(中焦がやられている)。
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【聞診】 少しあどけない。
【問診】 過敏性大腸症候群も併発していたため、ここ2年間は下痢・軟便(薬で改善)。最近は便秘傾向。イライラしやすい。
【切経】 背部は右膈兪~肝兪までが張っている。
【腹診】 くすぐったがりで一貫堂でいう解毒体質。腹筋が張っている。臍の左側を中心に痛いらしく、押さえていくと左鼠径部に圧痛著明。奇経腹診では陽維脈が出ている。
【脈診】 沈・堅・緊・濇(渋)で5~6拍に1回止まる。
【証】 脾虚肝実証
【経過】 4~5回目の治療より、症状が和らいできた。痛くない日もある。現在継続治療中。
【考察】 肝気の鬱滞が同じ中焦の脾胃に影響していると思われる。
肝鬱の原因が判れば話は早いのだが、これは本人が気づいていない場合がある。
気づいていても教えてくれない場合がある。
しかし体は教えてくれている。
伝統医術の叡智と、己の直感を信じて、目の前の患者を治すだけである。
この子は必ず治る。
by dentouijutu | 2012-07-25 02:02 | 小児はり

生活も心も豊かな鍼灸師を目指して。

by 臨床ファンタジスタ